10/30
今朝も寒かった。
朝、コーヒーを入れようとお湯を沸かしていると、
ラモネがコーヒーを沸かしてあるから来なさいと誘ってくれた。
ありがたくモーターホームに行くとスクラッピー、ペギー、マックスとマイクが出迎えてくれた。
温かいコーヒーを飲んでいるとマイクが朝食を作ってくれた。
スクランブルエッグにオニオンサラダ、ポテト、トースト。
なんとも豪勢だ。
煮米ばかり朝食にしてきた僕にとっては最高の朝食でしかない。
ご飯を食べているとラモネが「出発するのか?」と聞いてきたので
「今日は空が青いからバンクーバーに向かわなければならない」と答えた。
彼らにお礼を言い、出発の準備をする。
マイクは出発の準備を見守ってくれた。
「バイクはスズキに限る。長く走れるからな」などと僕みたいなことを言っている。
準備が整い、モーターハウスまで行き、お別れの挨拶をするとラモネが
マフラーを持ってきてくれた。
どうやら朝の朝食の後から編み始めたようで「時間が足りなかったので短いけど温かいわよ」と短い手編みのマフラーをプレゼントしてくれた。
今までの旅で一番優しくされた。
泣き出しそうだったけどぐっと我慢した。
そしてマイク、ラモネ、ペギー、マックス、スクラッピーと一緒に写真を取り、
「お昼に食べてね」とお弁当まで頂いた。
マイクと硬く握手を交わし、ラモネに優しく抱きしめられると僕は我慢しきれず大号泣した。
久々に泣いた。
何年間も泣いていなかった涙がナイアガラの滝のように流れ出た。
先ほどもらったマフラーがすでに鼻水で濡れてしまっているほど。
そんな僕を見てラモネは「つらくなったらいつでも戻ってらっしゃい。ここはあなたの家なのよ」と言ってくれる。
大号泣のまま僕は再びバイクを走らせる。
泣きながら101号を走った。
寒かったが人の優しさの温もりがずっと心を暖めてくれた。
短いマフラーが暖かい。
101号を走り地図で確認しながらハイウェイ5号へと乗り換えようと30号を走り、
5号へ向かう。
5号についたころにはすでに日は暮れていた。
5号と30号が交差するKelsoと言う小さな町でモーテルBudget Innを見つけたので
泊まる事にした。
1泊45ドル
寒さのためキャンプは無理だという考えもあるが、
マイクとラモネに出会ったあの最高のキャンプを最後にしようと思った。
走行距離:278キロ 総走行距離:23478キロ