10/03
朝早く起き、パーク内をハイキングするためテントから出ると二匹のシカに
出くわした。
シカはまたもや僕と目が合い、しばらくするとまた森の中へ消えてしまった。
パークでは水を貯めておく人工池のようなものがあり、
もしかしてマナティがいるのか?と思ったがいなかった。
どうやらシーズンなどによっては見れることもあるらしい。
パーク内を進むと水面から突き出た変わった形の木が特徴的だった。
どうやら「knees(膝)」と言う名前の木らしい。
途中魔女が飼っているような大きな黒い鳥が空を飛んでいたのが恐かった。
おそらく翼を広げた大きさは僕の身長程度あるのではないだろうか、、
そのぐらい大きく、連れ去られそうな恐怖を感じた。
パークの自然を堪能し、出発の準備をした。
今日はルート98を走りフロリダ州でももっとも西側へと進む。
途中ルート19、98、27が一緒になっていたので分岐を見逃し
98を走っていたつもりが50キロ以上もルート27を走っていた。
地図を確認すると戻るよりもこのまま進めばまたルート98に乗れるとわかったので
そのまま進むことにした。
とにかくフロリダ州を抜ける前にビーチが近くにあるキャンプ場にもう一度行きたいと思いながらバイクを走らせるもどうも雲行きが怪しい。
ひと雨降るかもしれないと心配しながら予定通り98号にまた戻ることが出来た。
いくらベストオブフロリダを見てみたいとは言え、雨の中を走るあの過酷な経験はもうしたくない、と思い時間は早いが一番最初に見つけたキャンプ場にテントを張ろうと考えた。
98号をしばらく走るとキャンプ場を見つけることが出来た。
しかもビーチつきだ!!!!
迷うこともなく入ることにした。
どうやらここのキャンプ場はRVキャンプ場となっており、テントを張っても良いが、
下は砂利とのこと。
また、おそらく人気スポットなのだろうか?
連泊は出来ないと言う。
問題ない!何でも良いから一泊キャンプする受付をする。
値段は$25と高め。
が、なんだって良い。
テントサイトでテントの設置を追え、早速ビーチに行ってみると
うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
白い!
真っ白だ!!!!
雪のような白さ砂浜に無色透明な海水!!!!!
そして砂がとてつもなく細かい!!!
塩よりも細かく砂糖のようにフワフワだ!!!!
波もぜんぜんなく静か!!!!!
これは一昨日見たカニビーチ以上だ!!!!
まさしくベストオブフロリダ!!!!
絶対ベスト、ベストオブ絶対だ!!!
今日は夕暮れも近いのでビーチを見るだけにし、キャンプ場から近いウォルマートでビールを購入し、夕飯の準備をした。
夕飯を食べ、暗くなり、みんなが寝静まりそうになる時間を見計らい、
ビールを持ってビーチに行って見た。
こんなにも静かな浜辺は初めての体験だった。
浜辺でビールを飲むと隣に鳥がいることに気づいた。
どうやら暗くなってしまったので見えず、飛ぶことが出来ないらしい。
近づくと足音でわかるのか鳥も早足で逃げる。
フワフワの砂浜に横たわりビールを飲みつつ星を眺めた。
カナダで見たときのような手に届きそうな距離ではなかったが、
なんとも幻想的な時間だった。
そんな感動を胸に感じながら
いつかは旅も終わってしまうという考えが頭をよぎると、
なんだか切なくなり泣きそうになった。
複雑な、なんとも言葉に出せないこの気持ち。
明日には長かったフロリダも抜けてしまう。
17歳のカルテのワンシーンのように
「フロリダへ行こう」と誓った日からいつのまにか
今日がその最後の日になった。
日本に帰りたくない。
もっとフロリダにいたい。
そう考えながら半泣き状態で星を眺めた。
ふと中原中也の詩を声に出して読んでみたくなったが、
日本と言う地をはなれすぎたせいか、結局思い出すことが出来なかった。
走行距離:401キロ 総走行距離:13600キロ